『十三機兵防衛圏』
対応機種:PS4
ジャンル:ドラマチックアドベンチャー
発売日:2019年11月28日
開発元 ヴァニラウェア
発売元 アトラス
構成要素
ゲームジャンル
アドベンチャー、RTS(リアルタイムストラテジー)、タワーディフェンス
作品ジャンル
SF、恋愛*1、青春、ロボット、時間旅行、推理、刑事、不良、グルメ、サスペンスetc...
評価
シナリオ◎ 世界観○ キャラ▲ グラフィック○(RTSパートは☆) BGM△ 戦闘✕
総評:95点、傑作
プレイ時間:50時間(RTS難易度strong)
感想
良い点
ADVパートはどこか古臭さを感じさせる味のある可愛らしいデザインと綺麗な背景が印象的。キャラが良く動く。食べ物がやたら美味そう。
まるで絵本が動いているような綺麗さがある。
BGMも聴いていて心地が良い。
RTSパートはシステムの理解にやや時間は掛かるが、慣れると爽快。敵をミサイルで一掃したり近接武器で倒し切った時の気持ち良さは格別。中でも大技の超巨大ミサイルとミサイルレインの演出は最高。
難易度は三段階で、私は最高難易度でプレイしたが、難しすぎるということもないが緊張感はあり、丁度良い塩梅でエンディングまで迎えられた。
シナリオ・世界観
ネタバレは避けたいので詳しくは書かないが、シナリオが面白すぎる。こちらの想像を超えるような展開が続き、巧みな伏線の張り方やミスリードを誘いまくる素晴らしいシナリオ。
物凄い広がりは見せるため、理解が難しいが、1985年の日常から始まるとっつきやすさも良い。
複雑で難解なシナリオの補完をするように、用語の解説や時系列の整理がアーカイブパートとして纏められているのも好印象。
キャラ
可愛いキャラから格好いいキャラまで勢揃い。13人の主人公の誰もが複雑な事情を持ちながらも人間らしく、好感が持てて魅力的。シナリオを進めるにあたっては主人公全員分の話の攻略をすることになるので、それぞれのキャラを深く知ることができる。
担当声優は有名な人達が中心であるが、そうでない人の声もピッタリハマっていて良キャスティング。
自由度
ADVパートとRTSパートに完全に分かれているうえ、ADVでは13人の主人公からある程度順序を選んでプレイ可能。
シナリオの分岐は殆どなく一本道であるにも関わらず自由度が高い。これがこの作品の最大のアイデンティティだと思う点である。
どの主人公から進めたかによって、キャラやシナリオに対する情報量・理解度がプレイする人それぞれで変わってくるため、同じシナリオであっても人によって見方が変わってくる。
自分だけの体験ができるといっても過言ではない。
シナリオを楽しむという点でどうしても同じ展開になる小説や映画とは明らかに異なった、ゲームならではの話の魅せ方という点で素晴らしい。
悪い点
グラフィック
ややグラフィックが地味。
ADVパートは味がある絵で雰囲気にもあっているが、特に一枚絵が用意されている訳でもないのでシーンのインパクトはやや薄い。
特に味気なさを感じられたのがRTSパート。処理落ちを防ぐためで仕方ない部分もあるが、戦闘中に表示される味方の駒である機兵・敵の駒である怪獣のビジュアルがかなり簡素。
精密な3Dモデルが用意されている訳でもなく、双六の駒で戦ってるような気分になる。豪快な演出もあり楽しめる部分もあるが、キャラのカットインのようなものはない。敵の怪獣にも大ボス感が欲しかった。
値段
定価9878円
値段通りの面白さは保証するが薦めるにはややハードルの高い価格。
質の面での加点で考えると満足だが、量の面を冷静に考えるとボリュームに釣り合った値段ではない。
強気すぎるのか生産数が少ないのか…
序盤
登場人物が多く、時系列ぐちゃぐちゃな状態から始まるので、理解が難しい。ハマるまで数時間は掛かるかも。
クリア後
ロスが凄い
最後に
自分史上に残る傑作でした。SFが好きな人や、ゲームで面白いシナリオを体験したい人、伏線回収やミスリードを楽しみたい人は是非やってみてください。
逆にゲームに対してシナリオを求めてない人や、考えながら文章を読むことが苦手な人、がっつりド派手なシミュレーションがやりたいような人には向いていないかもしれません。
*1:BL含む